会長就任にあたって 会長 山藤哲夫
今年度の理事総会において、島根県柔道連盟の会長への指名をお受けいたしました。これまで会長を経験されました諸先生方の職歴を顧みますと、その職責の重大さを痛感しております。諸先生方の思いを引き継ぐとともに、新しい時代に向けた強化普及・組織の充実に邁進していく所存であります。これまでの長い間、会長を引き受けていただきました小村先生のご苦労に感謝申し上げるとともに、引き続き本連盟にご指導をいただきますようこの紙面をお借りしお願い申し上げます。
さて、一昨年来柔道界は指導者の暴力問題、助成金問題、セクハラ問題、練習時の重大事故等の影響を受け、多くの人々から不信感を抱かれてきていました。それまで柔道界は、いやスポーツ界は勝利至上主義が蔓延し、勝てば何でも許される考えがあったと思われます。しかし、昨年全日本柔道連盟は宗岡正二会長を選出し、新体制のもと組織改革を実行しており、そのひとつとして昨年は「暴力根絶プロジェクト」を発足させ、「暴力行為根絶宣言」を発表し再発防止に努めています。今年度からこれを「柔道MINDプロジェクト特別委員会」と改め、嘉納治五郎師範の精神、柔道の心に立ち返ろうと試みています。「MIND」のMはManner(礼儀)、IはIndependence(自立)、NはNobility(高潔)、DはDignity(品格)であり、それぞれの単語の頭文字から取って、英語の「精神」や「心」と重ね表しています。柔道を行うものはこれら4つのことを守ってこそ「柔道家」として相(ふ)応(さわ)しいと言っています。本県柔道連盟も、「柔道MIND」を推進するとともに、柔道での事故防止に努め、安全で県民の皆さんに理解をいただける柔道を目指し事業を進めてまいります。
また、平成28年度第65回全国高等学校柔道大会(インターハイ)の出雲市での開催が決定しました。インターハイは将来のオリンピック選手の登竜門であり、東京オリンピックが決定した現在、最も注目を浴びる大会のひとつでもあります。この大会を開催することは大会運営に向け連盟組織の充実を図るとともに、高校生のみならず中学生、小学生の競技力向上にも寄与することが期待できます。インターハイ開催にあたり、島根県及び出雲市をはじめ各団体から補助金や負担金をいただき事業を推進しております。しかし、選手強化費をはじめ、大会に係る運営経費等が不足しております。本連盟といたしましても、経費を捻出するために募金活動を実施することを理事総会において認めていただきました。会員の皆様にはこの事情をご理解いただき、高校生の健全な成長とインターハイの成功に向け、ご支援をいただきますようお願い申し上げます。
最後に、島根県柔道連盟は県内において嘉納治五郎師範によって創始された柔道の普及及び振興を図り、もって県民の心身の健全な発達に寄与することを目的としています。会員の皆様一人一人の活動がこれを支えています。引き続きご支援・ご協力をお願いいたします。