2024年度公益財団法人全日本柔道連盟 ID(知的障がい者)紹介事業 ID柔道講習会 開催報告

 標記の講習会が開催されました。
1.目  的
「知的障がいがあっても柔道ができる」という認識を発信し、知的障がい者柔道への理解を深めていくための普及活動を行い、知的障がい者柔道の社会的認知度や価値を高めていく。そのために、指導者に対して指導法や知的障がい者柔道試合審判特別規程について共有し、ID柔道に興味のある人が柔道を出来る環境を整えていく。
2.主  催 公益財団法人全日本柔道連盟
3.主  管 島根県柔道連盟
4.日  時 2024年10月20日(日) 9:30~12:30
5. 場  所 サン・アビリティーズいずも
6. 講  師

 公益財団法人全日本柔道連盟教育普及・MIND委員会
知的障がい者柔道振興部会 部会長 濵名智男、部員 石井 陽平

 当日は、県内外から約30名の参加がありました。
 まず濵名先生より、本講習会の趣旨と共に、全日本柔道連盟・スペシャルオリンピックス日本・国際知的障害者スポーツ連盟( Virtus ( ヴァータス ))などの知的障がい者の柔道競技にかかわる団体の説明がありました。指導者も選手も参加者は同じであってもそれぞれの団体の考え方が違うため、認識をきちんともって対応することが必要だと感じました。
 次に、石井先生より「I D柔道について自分の考えや気持ちを言葉にしてみよう。」と問いかけがあり、グループに分かれて話し合いをしました。言葉にするときに考えを深めることができ、さらに、他者の考え方を聞くことができるので新たな考え方に出会うことになりました。日常では言葉にする機会があまりないので、大変良い機会となりました。
 次に実技講習になりました。濵名先生は、嘉納治五郎師範の「柔道というものが元来怪我をしないようにする方法であって、稽古をしている時怪我をするのは本当に柔道をやっていないからだと思う。柔道の理に合わない力づくの柔道をやることなど特によろしくない。」という言葉を紹介されました。さらに安全・安心・楽しい柔道とはどんな柔道なのか、「柔道の原理」を丁寧に説明されました。参加者からは、「I D柔道だけではなく、小・中・高校生の練習にも参考になる部分がたくさんあった。」との感想もありました。
 さらに、攻防を楽しむために、「自然体」「相手に合わせた動き」「相手の姿勢を崩して技をかけやすい状態につくる、崩しの理」へと続きました。参加者は、相手の動きを察知して体さばきを繰り返すうちにスムーズな動きになることに手応えを感じていました。また、柔道の何をどういうふうに楽しむのか、ヒントを得た方もおられました。
 柔道の鍛錬は、時間をかければ上達はします。さらに、きちんと理論を知ることで、正しく効率よく身につけることができます。今回の講習会は、I D柔道のみならず自分の柔道をふりかえり、今後の修練を積む上で貴重な示唆をいただきました。
 最後になりますが、遠路お越しいただきました2名の中央講師の皆様、企画立案について支援いただきました島根県柔道連盟、当日の会場準備・参加者支援・片付けをただきましたユニバーサル柔道アカデミー島根の皆様に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。